未完了を完了させる。
こんにちは。ライフコーチの岡本です。
あなたには「やろうと思っているけど、なかなか気が進まなくてそのままにしていること」はありますか?
たとえば、
英語の勉強をしようと参考書を買ったのに本棚に積んだままになっている
友人からのLINEに何日も返信していない
カーテンに汚れがついたまま洗えていない
などなど。
私もそんなことがたくさんあります。
心理学では、こうした心に引っかかっていることを「未完了」と呼びます。
一つ一つは小さなことで、「完了」しなくても生活に支障はないことがほとんどです。
でも、それが積もり積もると、実は心理的に大きな負荷になっていることをご存じでしょうか。
今回は、「未完了」の影響と、それを解消する方法をお伝えします。
「ああ、そういえばあれをやらなきゃ」と一瞬思い出しても、すぐに忘れてしまうことがありますよね。
でも、無意識ではその「未完了」のことをずっと考え続けているんです。
心理学では、これを「ツァイガルニック効果」と呼びます。
未完了のタスクが記憶に残りやすく、頭から離れなくなる現象です。
たとえば、ドラマの続きが気になって仕方ない、という経験はありませんか?それと同じです。
これがなぜ問題なのでしょうか。
この状態を、コンピューターの仕組みに例えてみましょう。
コンピューターには「CPU」(中央処理装置)という、計算や処理を担う頭脳があります。
あなたがExcelで資料を作っているとき、バックグラウンドで別のアプリ(例えば、動画のダウンロードやアップデート)が動いているとします。
このとき、CPUはExcelとバックグラウンドの処理に計算能力を振り分けるため、Excelの動作が遅くなったり、思うように進まなかったりします。
インターネットを開きながら他の作業をすると、ページの読み込みが遅くなるのも、CPUの処理能力が分散しているからです。
脳でも同じことが起きます。
「未完了」のことを無意識に考え続けていると、脳の処理能力がそこに取られてしまいます。
すると、意識的に取り組みたいこと――仕事や趣味、新しい挑戦――に使えるエネルギーが減り、集中力や効率が落ちてしまうのです。
では、どうすれば「未完了」を解消できるのでしょうか。
それは以下の3つのステップです。
ステップ1:紙にすべて書き出す
まず、頭の中にある「未完了」のことを紙にリストアップします。どんなに小さなことでもOKです。例えば、
- 友だちへの返信
- クローゼットの整理
- 読みかけの本
- 修理に出していない傘
思いつく限り書き出してみてください。
この作業だけで、頭の中が整理されていくのを感じるはずです。
ステップ2:3つのカテゴリーに分類する
次に、書き出した「未完了」を以下の3つに分けます:
(1)すぐに完了させるもの
簡単で、今すぐ終えられるタスク。たとえば、友だちへの返信や、散らかった机の片付けなど。
(2)いつ完了させるか期限を決めるもの
今すぐは難しいけれど、具体的な日付を決めて取り組めるもの。たとえば、「ベランダ菜園を始めるけど、種まきは春がベスト」と感じている場合。「3月15日に種を買う」と手帳に書き込みましょう。
(3)完了させず手放すと決めるもの
現実的に難しい、またはもう必要ないと判断したもの。たとえば、「ある人に気持ちを伝えたかったけど、もう連絡が取れない」という場合。手放すと決めることで、心の負担を減らします。
ステップ3:アクションを起こす
(1) すぐに完了させるもの
できるだけ早く片付けてしまいましょう。
(2) 期限を決めたもの
手帳やカレンダーに予定を入れ、その日になったら実行します。
(3) 手放すと決めたもの
「もう考えない」と決断し、リストから外します。
この3ステップを実践すると、頭の中がクリアになり、気持ちも動作も軽くなります。
特に「すぐに完了させるもの」を片付けると、小さな達成感が次の行動への意欲につながります。私も「友だちへの返信」を放置していましたが、5分で返信してリストから消した瞬間、「もっと早くやればよかった!」と思いました。
また、「いついつやる」と期限を決めることでその期限までの間はそれについて考えないようにすることができます。
(3)は正直なかなか難しいですが、(1)(2)をやってみるだけで頭の中がクリアになって、行動も軽やかになっていきます。
「未完了」は目に見えませんが、確実に心と負担をかけています。
紙に書き出し、分類し、アクションを起こす――このシンプルな方法で、集中力やエネルギーを取り戻せます。
まずは「未完了」を紙に書き出してみましょう。
そして一つずつ解消して、頭も心も軽やかにしてみませんか。
あなたの人生を応援しています。